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にこにこ人生読書ノート

にこにこ人生読書ノート

遙 洋子さん

遙 洋子(はるか ようこ)
遙洋子ネットワーク http://www.haruka-youko.net/

 タレント。大阪出身。武庫川女子短期大学卒業後、1986年から8年間、上岡竜太郎氏と組んで司会をした読売テレビ「ときめきタイムリー」から本格的にタレント活動開始。関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台に活躍。同時に執筆活動も始める。
 
 
 
「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ」              ★★★★☆
  遙 洋子  筑摩書房
・年々感じることはその影響力。「ひょっとして、私たちがしゃべってることって私たちだけで完結しているんじゃなくて、影響力あんの?じゃ、責任あんじゃん」力と責任の関係性にも気づいてきた。
・「相手にとどめを刺しちゃいけません」教授は言った。「あなたは、とどめを刺すやりかたを覚えるのではなく、相手をもてあそぶやり方を覚えて帰りなさい」私は鳥肌が立った。
・才能は異質だから才能たり得るので、才能が集結するとそこではそれはあたりまえのことになる。
・存在する限りにおいては喋れ
・言語は経験のすべてを表現するにはつねに「不足」であること。そしてそれと同じぐらい、言語は経験に対してつねに「過剰」であること。
・物事は一概に言えない
・「危険」なのは隠された言葉ではなく、隠す「思想」だった。隠すから問題を見えなくする。見えないから、理解ができない。理解できないから誤解を生む。誤解はいらぬ恐怖を呼び、その恐怖感こそ「危険」思想になる。
・オリジナルは情報の真空地帯には発生しない
・人間が抱く欲望というののは、個人の自我の核心のようなところから湧いてくるのではない。欲望には模倣性があること、それどころか、模倣的欲望以外の欲望などは幻想にすぎない。
・勉強は悟りを開くのか?能ある鷹は爪を隠すのではなくて、能があれば爪は隠そうと画策しなくても自然と隠れてしまう。能ある鷹は本当に戦わなくてはならない場所と時を知っている。
・苦痛は感動への序章 持続は感動への期待 集中は感動への執着
・知性とは、何よりもまず、知性そのものの限界をみきわめる力にほかなりません。
・お金も知も、使ってはじめて値打ちがある。
 
 
「働く女は敵ばかり」                     ★★★☆☆
  遙 洋子  朝日出版社
・そこに見えるのもまた、理由はそこにあると思う人間にのみある。
・時を味わうことは、命を味わうことに見える。だから「完璧」や「不完全」を超えた肯定があり、笑顔があるのではないだろうか。
・区別とは最も悪質な差別
・勇気とは「できない」ことの自覚にある。
・平等というのは、平等を定義しなければならないほど、人は平等がなにかわからない。
・純粋な善意である事も多いが、幸せな自分たちと、不幸なあなたという、励ましの形をとった自慰との境界線はあいまいである。その親切を装う欺瞞で、他者をも自己肯定の道具として利用しようとする浅ましさや自信の欠落、狭量な自惚れまでが見え、人間の弱さ哀しさに身が縮む。
・興味は義務からは生まれない。広い視野で物事を見たとき発見する異質、違和。その現象に対して持ちうる限りの想像力を働かせ、思考を試みる。その行為すべてをつなぎとめるものが、好奇心であり、他者への興味ではないか。
・自由とは他の誰かになりたいと思わないこと。
 
 
「介護と恋愛」                         ★★★☆☆
  遙 洋子  筑摩書房
・サバイバルは失望から始まる。他人にはなにも期待しない。それが、最も合理的なサバイバル法である。
・「みんな平等」の集団の約束事が生きていた。それがあらゆる個性への過剰な反応を控えさせている。会社って、そうすることで安定を保ち、全員を保障していくものなのだろうか。ならばこの平穏のなにが不愉快なのだ。それは、そのウソっぽさにある。あたかも差別がないかのようにふるまう小さな集団の中の平等を、私は信用しきれない。
・現実を見せないより突きつけるほうが勇気がいる。見ないより見るほうがはるかにしんどい。社会が平等でないのに、平等の雰囲気だけ教えてどうするのか。現実の差別やそこで生きぬくノウハウを教えてくれるほうがありがたい。
・理念と実践は違う。平等と平等ゴッコは違う。露骨な差別と、それをなかったことにする差別、平等風と、平等は違う。
・真のかっこよさとは、追いつめられたときにどれほど輝けるかだ。
・感謝感謝っていうけどさ、なんでそれをやみくもに感謝しなきゃいけないのかっていう、肝心のそこがさ、スッポリ抜け落ちてんじゃん!
・“正しい”とは力だ。皆、正しいことの強さを知っているから、正しい発言をするときの顔はものすごく似ている。・・・・・オットロシク恐い顔だ。・・・・・どの正しさも「なぜ?」がスッポリ抜け落ちている。“正しさ”はそれらの問いへの答えを持たない。
・言葉の上での解決は解決じゃない。言葉は、言葉そのものを聞いちゃだめなんだ。その言葉しか持たない人が、その言葉を使ってなにを伝えたかったのか、それを聞いてあげるんだ。
・その人がなにを語るかは、状況ではなくて距離が言葉を選ばせているのだ。言葉を聞けば、その人の距離が見える。
・ラクするのも自己愛。罰するのも自己愛。


「ハイブリッド・ウーマン」                  ★★★☆☆
  遙 洋子  講談社
・定職、誠実、安定、が「いい男」であると言い切るには、そう言い切るための諸条件が必要だ。まずそれらを、いいもの、ほしいもの、と思わなきゃ成り立たない。そして「結婚」を、定職、誠実、安定、とする位置づけ。結婚願望のある女性であることも。
・実は「私、ダメンズウォーカーなの」と「私、いい男つかんだわ」は、隣り合わせである。それは、三日後に知る「ダメ男」か、一ヵ月後に知る「ダメ男」か、十年後に知る「ダメ男」かの差だけではないか。
・男の問題を考える前に自分の問題に気づこう。男が大事なのではない。大事なのは、言うまでもなく、自分。恋愛は自分のいろどりに過ぎない。
・多様な文化はその違いに出会うことで、実は自分の文化に出会うことである。
・まず自分が何を拒絶し何を選び取っていくか。変化はそこからその後に訪れるのではないだろうか。
・本当に怒っているか、大きく見られたいから怒っているかを見抜くのは簡単。前者は国家をも相手にして戦ったりするけど、後者は自分より弱そうな相手だけに噛み付いて、強そうな相手には驚くほど従順だった。
・痴漢には、痴漢前の被害と、痴漢と言う被害と、痴漢後の被害がある。
・性のダブルスタンダード
・世の中には謝るのが普通、の人間と、謝られるのが普通、の人間がいる。一方はへりくだり、一方が威風堂々としているという、私はその見事に完成された訓練結果に、嫌悪と憐憫をもって自分を見、憧憬と憎悪をもって相手を見るのである。
・「異常」と「正常」は比率によって容易に入れ替わる。
・排除の前に罪があるのではない。排除の前には人の感情がある。
・シフトアップとは、切り替えの連続だ。切り替えとは、切り捨ての連続でもある。
・負けてあげる、という政治もある。
・男性という資源


「結婚しません。」                      ★★★☆☆
  遙 洋子  講談社
・敵意はさまざまな仕方で表される。その一つは笑いである。
・権限委託によって保障される安心
・フツー。刺激的な言葉だと思った。「フツーってなに?」
・幸せって何だ。不幸って何だ。もし、私がそれを幸せだ、と感じられるときがあるとすれば、それは、経済破綻に陥ったときかもしれない。
・「主婦」は「妻」「母」の意味までひっくるめて使える言葉である。社会が期待する女の役割は、この三つのすべてを完璧にこなすことである。
・人が信じていると口にすることと、実際に感じていると思われることの間の矛盾
・「嫁」は職人芸である。「嫁する」は芸の披露である。
・労働のほとんどすべての形態(知能からセックスまで)も売買されるようになった世界で、なにゆえに主婦の労働だけが除外されているのだろうか。
・家族ほど持続的で、集約的な接触にもとづき、経済、情緒、権力、抵抗を織り込んだ、濃密な関係はない。
・性別分業がもたらす男女の関係性から「男性の支配の正当性」は「男性の目に女性が劣る存在であると写る」ことで与えられる。
・慈悲と慈愛の尊大さの下では、見下した発想からも平等を語れる。見下しているからこそ、慈悲や慈愛が誕生する。
・賢くなりましょう。偉くなりましょう。という教育が、社会の要請とは逆であるというのなら、これほどの矛盾はない。
・親孝行とマザコン
・「女性の職場進出」が、解放どころか「二重の抑圧」だという実態
・仕事があるのに、女性がやめるのではない。女がやめるしかない仕事、があると。
・一体だれが成功を決めるんだ?なんでそんなに成功したいんだ?させたいんだ?じゃ、成功しなけりゃ失敗か?
・私たちは言語の外に出ることはできないが、どのような言語のうちにいるかを、知ることはできる。
・女は結婚によって一生涯の労働力を売る。
・知を特権化する権力 賢さを鵜呑みにする社会



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